国際幼児教育学会第45回大会

実行委員長 古賀 琢也

( 千葉明徳短期大学 )

 日本では、こども家庭庁が創設され、保育士の配置基準が見直されるなど、保育や子どもをめぐる環境は新たな展開を迎えようとしています。また、コロナ禍から少しずつ日常が戻ってきている一方で、世界各地で気候変動に伴う自然災害や、社会情勢の変化に伴う衝突、生成系AIの登場など、さらに変化の大きい時代へと突入しているのではないでしょうか。VUCAの時代という言葉を聞く機会も増え、改めて私たちはどのような社会を目指すのかを問い直されている気がいたします。

 そのような中、2024年の第45回大会は千葉明徳短期大学にて対面で学会大会を開催する機会をいただきました。国際幼児教育学会における日本での対面開催は、第39回(福山市立大学)以来、6年ぶりの対面開催となります。ポストコロナの大会として、どのような大会運営を行うか大会実行委員を中心に検討を重ねてきました。オンライン開催の良さはありつつも、やはり同じ場所に会して保育や子どものことを語ること、新たな仲間と出会うことの素晴らしさは代えがたいものです。千葉で皆さんにお会いできることを楽しみにしております。

 千葉明徳短期大学は、保育創造学科のみの小さな短期大学ですが、保育に特化し、様々なアイディアを出しながらユニークな取り組みをしてきました。開学から50年を経て、地域の保育所、施設で多くの卒業生が活躍しています。また、千葉駅からも京成千原線「学園前」駅直結のアクセスが容易な学校です。羽田空港、成田空港からも近く、日本だけでなく、海外からのご参加もお待ちしております。


「誰しもに対話する機会を」

企画趣旨

 国際幼児教育学会第45回大会のテーマは「誰しもに対話する機会を」といたしました。保育者と子どもとの対話、子ども同士の対話、環境と子どもとの対話、そして保育を支える保育者同士の対話など、様々な対話が保育の中にはあります。その一方で、日々の忙しさから対話に目を向けられない、対話の時間が思うように取れないことで、保育に難しさを感じる場面が現場にあることも感じられます。対話の機会をどのように捉えていくか、この学会大会でも国際的な対話、研究と実践の対話を通して皆さんと考えていきたいと思います。

 基調講演、スクールビジット、シンポジウムなど大会の企画においても「対話」というキーワードを軸に据え、さまざまな角度から保育を考える機会としたいと考えております。また各企画だけでなく、研究発表でも会場ごとに国際的な知見をやり取りできるようにすることで、発表者、参加者の皆様に国際大会ならではの醍醐味が味わえるよう準備を進めてまいります。ぜひ多くの方のご参加、研究発表をお待ちしております。